第1章

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3日後。 返信するかどうか迷っていた。だって宛先は私自身のアドレスだ。普通に考えたら私に届くはずだから悩むことではないのだが、でも、心のどこかでこの人に届くのではないかという気もした。だってこの人のメッセージは私にとどいたのだから。 そして、本当に届くのなら、この人が元気になれるメッセージを送りたい。友達に対して素直になれずにいるこの人に、私は共感を覚えていた。この人に届かなくても私に届くんだから安全ってことよねと別の理由で自分を納得させ、短く返信した。 『私なら、メールもするし、会いにも行きます。きっとそうしてほしいと思う。』 ちゃんと、この人に届きますように…。 知らず知らずのうちに祈っていた。 私の携帯には届かなかった。
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