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「首相!」
「何かね?」
「グ」
「グ?」
「グミが落ちてきます!!」
*
時は20××年。
世界はグミの脅威に包まれた。
遥か上空から、巨大なグミの塊が落ちてくるのだ。
その大きさ、ほぼ地球と同等。
その速度、100万光年。
気付いた時には、何もかも手遅れだった。
*
衝突した。
最初は日本の東京に接し、そこからその球体はへこみ、広がり、地球全土を覆いつくした。
赤いグミだった。
そのさまは、まるで青いチョコレートに赤い半透明のグミがコーティングされていくような様だった。
世界各地が、大混乱になった。
世界中で凄まじい津波――実際はグミなのだが――が起こっているようなものだ。
しかし、津波と違う点があった。
この津波、何も押し流さないのだ。
というか、むしろグミの方が何かに当たるたびへこみ、潰れていった。
人々も窒息する前に手なり足なりで周りをへこまし、空間を確保した。
そうして、地球は青い星から、半透明な膜がかかった青い星に変貌した。
食糧危機も緩和された。
グミ食えばいいから。
首相の雑記帳にメモが足された。
こうして20××年、○○月、△△日は、世界的にグミの日になった。
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