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「ふん。嘘が下手だな、おまえは」
呆れたように吐き捨て
律は僕の髪をほどいた。
「でも、今夜は特別綺麗だよ」
束になった髪を両手でほぐし
機嫌よく宙ぶらりんの僕を眺める。
「愛すべきは透けるようなこの白い肌――それにこの柔らかな髪。色を抜いたのは正解だな。まるで無垢な白ウサギみたいだ」
今夜の律は
いつになく饒舌で。
「知ってるか?今可偉人が背中合わせでいること」
「え……?」
いつも以上に
憎らしい――。
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