第5章 背中合わせの緊縛

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「ふん。嘘が下手だな、おまえは」 呆れたように吐き捨て 律は僕の髪をほどいた。 「でも、今夜は特別綺麗だよ」 束になった髪を両手でほぐし 機嫌よく宙ぶらりんの僕を眺める。 「愛すべきは透けるようなこの白い肌――それにこの柔らかな髪。色を抜いたのは正解だな。まるで無垢な白ウサギみたいだ」 今夜の律は いつになく饒舌で。 「知ってるか?今可偉人が背中合わせでいること」 「え……?」 いつも以上に 憎らしい――。
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