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突然のことで頭が回らず、ぼんやりしたままの俺を残し、いつも通り通話が切られてしまった。
「デートなのだと言っていたけど、どうにもイヤな予感しかしないのは、今までの経験のせいだろうな。だって相手が、あのアンドリュー元王子だから」
高校生時代、どんだけ振り回されたことか――それを考えると、大喜び出来ない自分がいる。いるんだけども……
「やっぱり喜んでしまうのは、アイツから誘ってくれたってことと、久しぶりに逢えるから。ヤバっ、今頃緊張してきた……それよりも、何を着て行こうかな。早くしなきゃならないのに!」
いきなりのデートのお誘いに、ドキドキとワクワクだけじゃなく、ハラハラさせられる俺の心は、アンディが待っている場所に飛んで行ってしまっただろうな。
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