Please say yes:はじめてのデート

6/33
前へ
/59ページ
次へ
 突然のことで頭が回らず、ぼんやりしたままの俺を残し、いつも通り通話が切られてしまった。 「デートなのだと言っていたけど、どうにもイヤな予感しかしないのは、今までの経験のせいだろうな。だって相手が、あのアンドリュー元王子だから」  高校生時代、どんだけ振り回されたことか――それを考えると、大喜び出来ない自分がいる。いるんだけども…… 「やっぱり喜んでしまうのは、アイツから誘ってくれたってことと、久しぶりに逢えるから。ヤバっ、今頃緊張してきた……それよりも、何を着て行こうかな。早くしなきゃならないのに!」  いきなりのデートのお誘いに、ドキドキとワクワクだけじゃなく、ハラハラさせられる俺の心は、アンディが待っている場所に飛んで行ってしまっただろうな。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加