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「っ……あっちから行った方が、ショッピングモールに近い、から」
息も絶え絶え状態で告げてやると、俺が指を差した方向を見てから、再び顔を見てくれた。かけていたメガネのレンズに光が当たって、表情が分からなかったんだけど。
「和馬、済まぬな。どうにもひとりで行動することが多くて、相手の事を考える配慮に欠けていた」
一旦、口を引き結び、繋いでいた手をわざわざ、恋人繋ぎにしてくれて。アンディの指先が俺の手の甲を、すりすりと撫でてくれた。
「案内プリーズなのだ。ショッピングモールに行く道と一緒に、お前の歩調を教えてほしい」
「し、しょうがねぇな、まったく//// 手のかかる元王子様だよ」
こうしてふたり仲良く並んで、ショッピングモールに続く道へ、歩くことが出来たんだけど――
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