Please say yes:追憶

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 俺の恋人は、同性。しかも某国の元王子様だったけど、現在は日本料理店の板前見習いをしている。  出逢いは通っていた高校に、留学生として突然やってきたアンディこと、アンドリュー王子。  その姿はまるで、童話の絵本から抜け出してきたような、全ての人の目を奪う存在で。自分には勿体ない存在――  そんな彼に、いきなり迫られた挙句に、告白されたことに、面食らったの何の!  だって俺、男だし、顔がいいとも言えないし、どこにでもいる一般家庭の子どもなんだ。あまり耳慣れない某国の王子様に、言い寄られる筋合いはなかった。  俺たちに接点はないって、思っていたときに、家族で一度海外旅行に行ってた話を弟にされ、そこでアンディと出逢っていたことに、やっと気がついたんだ。  俺が小学校2年のときに、グアム旅行で家族とはぐれ、迷子になっている最中に、アンディと偶然遭遇。  ひとりで泣きじゃくった、目の前にいる外国人のコイツを何とかしたくて、覚えたての英語を口走ってみたんだ。日本語も若干、混じっちゃったけど――
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