Please say yes:はじめてのデート

14/33
前へ
/59ページ
次へ
 ここに来るまでに、そして現在も、通りすがりの人間が、アンディに視線を奪われていた。普段、視線を感じる機会のない俺までも、一緒に見られるのだ。チクチクとした視線は、どうにも落ち着かなくて、若干ストレスになっている状態。 「そうであったか、うぅむ。では次回からは、ポニーテールで髪を束ねてみよう」  ――いや、そうじゃなく! 「そんなことをしたって、アンディが目立つのはしょうがないんだってば。周りから見て、頭ひとつぶん突き抜けるくらい、ムダに背が高いし、金髪の上に長髪だし、それに……カッコイイ、し」 「は? 何だって? 最後の言葉が、小さすぎて聞き取れなかったぞ」  腰を曲げて俺の顔に、自分の顔近づけながら、口元に耳を寄せてくれた。目の前にあるサラサラな金髪の、キレイなこと。同じ男とは思えない。 「な、何だよぅ……」 「ムダに長身で金髪で――その他の文句を、どうしても聞きたくてな。今後の参考として、注意せねばならぬだろう?」 「や//// 文句じゃねぇし。見たままを言ってるだけで」  顎を引きながら、視線を右往左往する俺に、ますます近づいてくれるアンディ。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加