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ここに来るまでに、そして現在も、通りすがりの人間が、アンディに視線を奪われていた。普段、視線を感じる機会のない俺までも、一緒に見られるのだ。チクチクとした視線は、どうにも落ち着かなくて、若干ストレスになっている状態。
「そうであったか、うぅむ。では次回からは、ポニーテールで髪を束ねてみよう」
――いや、そうじゃなく!
「そんなことをしたって、アンディが目立つのはしょうがないんだってば。周りから見て、頭ひとつぶん突き抜けるくらい、ムダに背が高いし、金髪の上に長髪だし、それに……カッコイイ、し」
「は? 何だって? 最後の言葉が、小さすぎて聞き取れなかったぞ」
腰を曲げて俺の顔に、自分の顔近づけながら、口元に耳を寄せてくれた。目の前にあるサラサラな金髪の、キレイなこと。同じ男とは思えない。
「な、何だよぅ……」
「ムダに長身で金髪で――その他の文句を、どうしても聞きたくてな。今後の参考として、注意せねばならぬだろう?」
「や//// 文句じゃねぇし。見たままを言ってるだけで」
顎を引きながら、視線を右往左往する俺に、ますます近づいてくれるアンディ。
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