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「なら尚更、知らねばならぬだろう。思いきって言ってみよ、ほらほら」
どうして、ショッピングモールの入り口にある、案内表示板の傍で、こんな言い争いをしなきゃならないだよ、もう――
「……アンディがカッコイイから、皆の目の惹いてしまって、すっごく妬けてます。はい、言ったからな。もう言わないからな!」
長い金髪をかけている耳元に向かって、喚くように告げてやると、あからさますぎるくらいの、してやったりな顔をしてくれた。
この表情の意味って――
「ちょっ、お前ってば、最初っから聞こえてたクセして、わざと訊ねやがったな!?」
「いやぁ、ハッキリと聞き取れなかったからな。確認すべく聞いてやったのだが、2度聞いたことにより、信憑性が増して、とても幸せな気分になったぞ。それに――」
メガネの奥の青い瞳が細められ、愛おしそうに俺を見つめてくれる。
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