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「あのさ……ありがと」
「ぅん? 何が?」
顔だけ振り向いた、アンディの目が笑ってる。何がなんて聞いてるけど、絶対に意味が分かってるだろ。
「べっつに。それよりも、どこに行くんだよ?」
ここはあえて、話題を逸らしてやる。思い通りになんて、してたまるものか!
「ふたりきりになるために、ホテルに行きたいのだが、一人前になるまでは、和馬に手を出さないと、心に決めているのでな。とりあえず最初のルート、レストラン街に行くぞ」
「一人前って、お前――」
「電話でも言ったであろう。逢ってしまったら間違いなく、堕落してしまうって。逢えない状況に自分を追い込み、ガマンしているのだ。手を出さないように」
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