Please say yes:追憶

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『I love you. 大丈夫、僕がついてるから。泣かないで。I need you……』  通っていた英会話教室で、偶然見てしまった光景。イケメン外人講師が、泣いてる女の人に言っていたのが、すっげぇ印象に残っていた。  それを言った途端、女の人が泣くのを止め、満面の笑みを浮かべたから、きっと笑ってくれる英語なんだって、子どもながらに思っただけ。それだけだったのに。  アンディは俺の言葉を聞いて、青い色したキレイな瞳を潤ませながら、ニッコリと笑ってくれたんだ。 『Really?』  肩まで伸ばした、さらさらの金髪をなびかせながら、小首を傾げる姿は、子どもながらに、どぎまぎしちゃったっけ。 『Yes! 僕がそばにいるよ、安心してね』  元気よく言った途端に、俺の体に抱きついて、ぎゅぅっと細い腕を回し、満面の笑みを浮かべてくれた、小さなアンディ。  何を思ったのかその後、俺の事を追跡したらしい――
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