Please say yes:追憶

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***  長い間、アンディが眠っているうちに、王位は弟が継ぐことになった。  そして目覚めた現在、アンディが夢見ていたものに向かって、まっしぐらに突き進んでいる。  まずは父である王様に、それを認めてもらうべく、弟の補佐をしながら、城の中で基礎的な、料理の修行をしたそうだ。料理人の中に、日本料理をする板前がいたお陰で、勉強をすることが出来たと、すっごく嬉しそうに話してくれたのが、ついこの間みたいに感じる。  その熱意に打たれ、王様はアンディを日本に行くことを許し、本格的な修行が始まったんだ。  そう、俺のいる日本にアンディがいる――  大好きなお前が、いつでも触れられる距離にいると思っていたのに、現実はそんなに、甘くはなかったのである。
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