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サイド結城イサコ
結城イサコは休憩時間に警視庁を抜け出して、近場の駐車場にやってきた。
赤石と桃磨がすでに来ている。
イサコは車の後部座席に乗り込んだ。
「お久しぶりです。イサコ刑事」
桃磨は相変わらずイサコさんとは呼ばない。
「イサコ。合同調査は大丈夫なのか?」
赤石も相変わらず煙草を吹かしていた。
「捜査は非公開です。それよりも無冠の流星が仕掛けてきたゲームのほうです。進展はありましたか?」
イサコは鞄から印刷した資料を取り出して赤石に渡した。
桃磨にも資料を渡そうとしたがやんわりと拒否された。
「要らないの? 桃磨君」
「無冠の流星は僕に絡まれるのが嫌なんだと思います。僕もやつに絡むのは嫌なんです」
「そうなの」
「はい。ですからお二人でどうぞ。僕は黙っていますので」
イサコは押し返された資料を手にする。
桃磨がシートに体重を預けるとわずかに軋んだ。
「とりあえず。書いてある通り。平沢ユウには失踪届けが出ています」
イサコは資料を読み上げた。
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