1章

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 どうもこうもない。それが赤石の状態だ。 「どうもこうもないぞ」  赤石はそのまま打ち込む。 「大丈夫ですか?」 「大丈夫じゃないよ」 「どうするんですか?」 「どうもしないよ」 「桃磨君は?」 「青葉城を見に……」  赤石はそこまで文面を打ち込んで削除する。 「仙台にできた水族館に行ってるよ」  打ち直した文面を送信した赤石はスマホを上着のポケットに押し込んだ。  あと六日という時間で無冠の流星の目的を探さなければ人が死ぬ。  それをイサコと桃磨は知らない。
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