1章

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「なかなか進まないみたいですね。大丈夫ですか?」 「大丈夫だと思うか?」 「思えません。残念ながら」  携帯の向こうでイサコが失笑したような気がした。 「無冠の流星はなにも言って来ないのか?」 「今のところはなにも。朝に桃磨君の居場所を確認するようにメールで連絡があったきりです」 「そうか。けれどなぜ無冠の流星は桃磨に拘るんだろうな。標的にするならいくらでも居そうな気がする」 「同じ思考の人間を作りたいのだと桃磨君から聞いたことがあります」 「同じ思考の人間を作る? そいつは、また難儀な挑戦だな」 「一生無理だと桃磨君はいっていました」 「うん、俺もそう思う」
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