1章

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「ホットケーキ?」  真面目に話をしていた赤石が笑った。 「お腹が好いていたんですよ。赤石さんはお昼は食べましたか?」 「そういえば、缶詰めだったからな」 「食べないと持ちませんよ」 「ああ、切ったらなにか食うよ」 「そうしてください」 「あ、桃磨!」 「はい?」 「無冠の流星には気を付けろよ」 「赤石さんも気を付けてください。僕はイサコさんも心配なんです。無冠の流星に操られていないか」 「そうか。そういうこともあり得るのか」 「はい。あとはなにかありますか?」 「大丈夫。ゆっくりしてこいよ。こっちはなんとかするから」 「ありがとうございます」  赤石が携帯を切ってから桃磨も携帯を切った。 (なにも教えてはくれませんね)  小さな溜め息をこぼして喫茶店に入った桃磨は席に座る。  ふっくらとしたホットケーキの上には白いホイップクリームにいちごジャムとチョコレートソースが綺麗に盛り付けされていた。  桃磨はホットケーキを切り分けた。
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