1章

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 頭の中は無冠の流星であふれそうであったがホットケーキを食べている間は落ち着いていた。  桃磨はコーヒーを追加した。ホットケーキの載せられていた皿はいつの間にか空であった。甘い匂いが漂うテーブルで桃磨しきりに携帯を気にする。  イサコへの連絡をためらっているのだ。  イサコは刑事だ。赤石とは歳は離れていたが数年間、同じ部署で行動をともにしていた。その繋がりで桃磨と出会い、いくつか事件の解決をした。桃磨にしてみればお節介な姉のような存在だ。そんなイサコを巻き込みたくないのが桃磨である。しかしイサコはなにかと嗅ぎ付けて寄ってくる。桃磨にしてみれば厄介な存在でもあった。今回も無冠の流星に巧みに操られたのだろう。旅館を手配したのはイサコだった。そのことは外出するときにそれとなく受付から聞くことができた。イサコが自分から宿を予約するなど未だかつてない。だいたいイサコは旅館の若女将でもある。旅館ならイサコの親が経営する場所を簡単に借りることができるはずであった。 (話が見えないのが苦しいです)
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