1章

24/34

22人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
 推理をするなという無冠の流星に桃磨の臆測は止まらなかった。  無冠の流星は確実になにかを使用としている。  ならばなにをしたいのか。  見えない答えに桃磨は出されたコーヒーに角砂糖をよっつほどいれていた。  ひとくちのんで驚くほどの甘ったるさに瞬いた。  角砂糖の甘さを甘くみていた。  やりきれない吐息を吐いてイサコに連絡をした。  イサコは出ない。留守番電話だ。  桃磨は喫茶店を出て地下鉄東西線「国際センター」駅を目指した。青葉城跡から徒歩十五分の位置にある。地下鉄東西線は新しくできたばかりの路線だ。八木山から卸町まで繋がっており、仙台駅に止まる。いままでバスでしか往き来ができなかった地域が移動できるようになっている。  桃磨は新設されたばかりの路線に揺られて仙台駅まで戻ってきた。  地下鉄を降り、五分歩いた先に仙台駅を見つける。仙台東口から二階に上がり、通路を抜けてタペストリーデッキと呼ばれている歩道橋に出る。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加