1章

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 仙台駅中央改札口より手前にロフトのテレビ画面が見える。楽曲のランキングが流れるか広告が代わる代わるに放送されている。  地下鉄東西線はロフトの地下にも止まる。駅をひとつ飛ばしたかと思ったが気が付かなかっただけであった。  いつぞや訪れたエスパルは3号店開業でなにやら入口が封鎖されている。  仙台のなかも土産店で埋め尽くされて外装は昔とがらりと変わっていた。  つい先日来たばかりの気もするし、一年前の話であった記憶もある。  ただあのときはじっくりと街を見物するまでに至らなかった。  仙台の上空をヘリコプターで移動して東京に戻ったのだ。  いまは状況が違うのだ。ゆっくりと周りを見渡す余裕もある。旅館は逃げないだろうし、最終電車さえ押さえておけばよい。  桃磨はアーケードまで足を伸ばした。仙台七夕祭りにはアーケードが人でごった返す。吹き流しのアートはアーケードの入口にぶら下がる。
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