1章

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「あとで赤石さんに聞いてみます」 「そうね。齟齬がありそうだからそうしてくれると助かるわ」 「イサコさん、お土産。なにが良いですか?」 「ササカマと萩の月。ずんだパイ。仙台と言えば牛タンよね」 「わかりました。牛タンは高いのでササカマと萩の月を買って帰ります」 「それは楽しみにしているわ。無冠の流星のゲームを早く終わらせないとね。私で力になれることはするわよ」 「ありがとうございます。ですが無冠の流星は今回は僕に用事がないようです」 「そうね。外側から核心に踏み込みづらいことになっているわね」 「赤石さんが真実を見付けることを待つしかないんですね」 「そうね。ヒントもバラパラ。推理はするな。情報の分け前には気を付けろ」  イサコがなにかを読み上げるような口振りで警告した。 「それは、一体?」  桃磨はたまらず聞き返す。  作られた言葉には敏感だった。 「無冠の流星は私たちが情報を共有することを嫌っているみたいね。私も赤石さんから聞いたことは最低限しか喋っていないのよ」
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