1章

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(どおりで寒いと思いました)  桃磨は携帯をポシェットにしまった。春といってもまだ本格的な春には遠い。春雨前線がまだ残っていたらしい。  街に降る雨を眺めながらポプラを諦めて仙台駅に戻った桃磨は新設された土産屋であれこれと土産を買い揃えた。  母には檸檬というタルトを買い、イサコには言われた通りにササカマと萩の月を購入し、あとは宅急便で送るのだ。  仙台駅地下の宅急便業者に土産を預け、桃磨は旅館に戻ることにした。  明日は新設された水族館に行くことを念頭に松島までの電車に乗る。  景色を眺めてうとうととしていると珍しく変な夢を見た。  いつもならば悪夢にうなされて飛び起きるのだが、今回は一向に目が開かなかった。
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