2章

4/45
前へ
/221ページ
次へ
 遺体から殺人犯から遠退いた。  赤石や桃磨を頼りすぎていたのだと理解した。  強気だったイサコの気持ちは月日に流されて歪んでしまった。  赤石と桃磨を心配することが増えた。  あの二人は壁を作りすぎなのだと思っている。  大人の対応は仕方がない。社会に出れば踏み込めない一線もある。けれどもイサコには苦しかった。二人が離れてしまうほどに辛さばかりが積み重なり、蓄積されていることも事実だ。 (だめ。いらいらする)  イサコは頭に入らないメール内容を理解することを止めて寝返りを打つ。  今回のことも防衛本能から無冠の流星の指示に従った。  二人には知られたくはなかった。  けれども無冠の流星は容赦なく、ホテルでぼや騒ぎを起こしてくれた。これは脅しでもなんでもないと気が付いてゲームに乗った。それからもいくつか質問が来る。質問に答えて返事をする。そのやりとりが三日の間続いていた。  イサコはうつ伏せのまま、赤石が気にしていた話の内容をを打ち込んだ。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加