2章

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 赤石と桃磨のやり取りを聞きながらイサコは画面を切り替える。  旅館に関する記事を次々と転送すると旅館の闇が見えるような気がした。 「気になる記事があったんです」 「気になる記事?」 「矢幅ホノリの証言です。誰の悲鳴だったのかなと思って」 「矢幅ホノリ、この記事か。なるほど気になるな?」 「探しましょうか?」 「頼めるか?」 「任せてください」  イサコは機嫌良く答えた。 「なら頼むよ。正直、無冠の流星からの資料はあてにならない」 「無冠の流星から資料が届いているんですか?」 「そうなんだ。旅館に火災の関係者が居ることはわかっているんだがどうも正気じゃないらしい」 「どういうことですか?」 「まるで亡霊だよ。人間だということを忘れているようなそんな人がいるんだ」
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