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「…おいっ。どうすんだよ、この騒ぎ。」
クラスの奴同士で付き合うのがそんなに珍しいのか、あれから休み時間になる度に話題にされ続けていた。
橋本を捕まえられたのは、放課後になってからだった。
「あー…うん、ごめんね。」
ごめんと言うが橋下は悪びれている様子はなく、むしろ楽しそうだ。
「このまま付き合ってるって勘違いさせておくのはどう?」
「はい?」
「だって…そしたら堂々とくっつけるじゃん♪」
「じゃんって言われても……俺、なんの得にもなんないんだけど。」
「そんなこと言わずにさー!中島くんは、やっと見つけた癒しなんだよ!!人助けだと思ってさ!お願い!!!中島くんに好きな人が出来たら、別れたことにするからさ!頼みますよ~~!!」
「そんな必死に言われても……」
「何か中島くんにも得になること考えるからー!!!」
あーーー
なんでこんな面倒なことに……
「ね?いいでしょ?」
猫のようにまとわりついてくる橋本。
関わる度、橋本のイメージが変わるな…
……
まぁ……
いいか。俺、今好きな奴とかいないし。
…暇だし。
「わかったよ。その代わり、俺にも得になることちゃんと考えろよな。」
「…え、ほんと?やったー!さすが中島くん♪」
まるでブンブン揺れる尻尾が見えるようだ。
今度は犬と化した橋本を引き連れて、俺は教室へと引き返した。
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