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「…あのね、私、人とくっつくのが好きなの。」
「はい?」
「昨日くっついた時も、単に私がくっつきたいっていう気持ちもあったんだよね。」
「……。」
「慰めるフリして実は…ってやつかな。ごめんね。」
そんなこと、言わなきゃわかんないのに…変なやつ。
「いや、俺も少しは助かった…気がする。」
「ほんと?」
「うん…」
「なら、良かった。」
橋本の顔をチラッと盗み見たら、すごく穏やかな顔をしていた。
授業開始の予鈴が鳴るまで、俺たちはそのままぼけっと過ごした。
寄りかかられて最初は緊張したけど、時間が立つにつれて力が抜けていくのが分かった。
人の体温は、温かい。
ぼんやりと茜とこの部屋で過ごした日々を思い浮かべていたけど、不思議と寂しくはなかった。
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