再び、この地へ

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「後で、寮の確認しような」 そう言い、伊織は自分の席に座った。俺も自分の席を確認し座る。この学校は金があるのか知らないけど丈夫な机だな。 周りを見渡すと早速、仲良くなった人達が和気あいあいと喋っている。 何がそんなに楽しいのか面白いのか俺には全然分からない。 「席着けー」 担任が入ってきた。 「っ!」 教壇の前に立った担任と目があった。担任は目を見開き驚いた顔をしたがすぐに逸らした。 何で…こんなに胸がぎゅってなる。相手は大人、関わりなんかないはずだ。 イケメンで無愛想で俺のタイプに当てはまるけど知らない奴だ。 「今日から、このクラスの担任になる幸坂 周(コウサカ アマネ)だ。これから3年間、宜しく」 黄色い歓声が上がる。何だこいつら、ホモか? 「ま、早速だが自己紹介してもらう。番号順な」 担任がそう言うとブーイングの嵐。確かに俺も嫌いだけど。
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