序章 

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ふと、目が覚めた。 朝、5時。小鳥の声が少し煩わしい。 時期は春。小寒い中、服を着替えて狭い部屋を出る。 狭い部屋とは裏腹に広い廊下に出た。この家の持ち主は金持ちなんだなぁ、とつくづく思う。洗面所に行ってやるべきことを済ます。 歯磨きをしている中、体格の良いスキンヘッドが入ってきた。寝起きのようには見えるが何故かサングラスを掛けている。服装は短パンにタンクトップだけだ。ぶっちゃけ怖い。 「おはざーす、テッさん」 「おう、煉」 彼は黒鉄徹宗(くろがねてっそう)。ここの家主のボディーガードをやっている。身長は俺も180とでかい方だとは思うのだが、この人は2メートル近い。何種類か格闘技をやっていて、俺も習っているのだが、この人とガチでやって勝った試しはない。 仲良く二人鏡の前で歯磨きをする。そのサングラスは濃い黒なので目を見れる機会は少ない。俺の方が先に終わり食卓に行く。 そこには一人の男性が待機していた。長めの金髪と俺と同じくらいの長身。体格はあまりいい方ではなく、ヒョロっとしてる。彼は料理人の白石優(しらいしゆう)さん。元ヤンではあるが料理の腕は確かだ。 「ゆうさんおはざーす」 俺がそう言って椅子に座ろうとしたとき。 「煉。…先にお嬢起こして来い」 その言葉と共に送られる鋭い眼力。一瞬身震いしてから小走りで、お嬢と言われる奴の元へ行く。
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