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気になる女の子がいる。
放課後、いつも日が落ちるまで窓際で本を読んでいる女の子。
心地よい風に揺れるカーテンと雑木に濾過された柔らかな西日。
それらを背景にして艶やかな黒髪を慣れた耳にかける。
初めて見た日、忘れ物を取りに教室に戻ってきたというのにその絵に意識を塗りつぶされてしまい、本懐を忘れてしまった。
話してみたい。
でも話題がない。
いや、作ればいいのか?
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扉を開けると、あの光景。
中に踏み込んでいき、忘れ物をかぶる。
B「この帽子制服に合うと思って買ったんだけど、どう?」
A「室内でかぶるとハゲるよ?」
B「そ、それは迷信だよ」
A「もう禿げてたり?」
そっと来た道を戻りドアを閉める。
明日は鞄かな。
俺は笑顔で帰路についた。
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