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友達が言うには、あの目玉は、父方の一族全員に見えているらしかった。
何かの呪いなのか、はたまたそう見える種族なのかは知らないけれど、父方の血を引く人間には、皆、太陽が目玉に見えているらしい。
気象記事などの写真でなら、太陽は、他の人間が見ている通りの光の塊に見えるのだけれど、傘や遮光ガラス越しで直接空を見上げた場合は、必ずそこに目玉が浮いているのだという。
ちなみに、大昔から伝え聞いている話では、直接太陽を拝もうとした人間は、直射日光の下に出た途端に焼け死んでしまったので、今は試す者はいないらしい。
「最近は日焼け止めも性能良いし、基本的に、傘差してれば凌げるけど、結構大変なんだよな、この生活」
言葉の内容は深刻なのに、冗談の軽さで友達が言う。その際、おどけるように一回転させた傘の、貼り合わせきれなかった裂け目の隙間から陽光がこぼれた。
その光の真ん中に、地上に影として落ちてなお、こちらを睨もうとする目玉が映ったことは…この先、友達が思わぬ方向から火傷を負わないためにも、きちんと話しておこうと思う。
日傘の友人…完
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