騒がしい客人たち

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相川 弓月。 プロの音楽家である相川 夏希と同じくプロのサックス演奏者である橘 陽の間に生まれた男児。 プロの音楽家の間に生まれた彼は1歳の頃、既に音楽に興味を示していた。 4歳でピアノのコンクールで金賞を受賞し、6歳でトランペットとヴァイオリン、チェロにフルートが吹けるようになっていた弓月は音楽の神の申し子だ、と言われて育ってきた。 だが、プロの音楽家である弓月の両親は仕事にてんてこ舞いで弓月は殆ど父、夏希の妹に面倒を見てもらっていた。 ここまでは、よかったのだ。 弓月の父、夏希と年の離れた妹は所謂腐女子であった。 幼いが両親が殆ど傍にいないため、肉体年齢と精神年齢が釣り合っていない弓月は夏希の妹がいない間に、彼女のBL本に興味を抱いてしまった。 「わぁ...........!」 音楽は楽しい。 勉強も楽しい。 お姉ちゃんと遊ぶのも楽しい。 いくら大人っぽく頭もいいからといって、まだ6歳の弓月には恋愛のモラルや常識などは備わっていない。 男同士が恋をし、頬を染めて愛し合う。 そのBL本は弓月にショックを与えた。 「僕、きっとこれを見て、音楽をやるためだけに生まれたんだ..........!!」 その日から、夏希の姉(お姉ちゃん)のBL本は弓月のバイブルとなってしまった。
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