第1章

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「貴方に罪はありません。ですが、貴方が生きているとこの世界が無くなってしまうんです。」 彼女の言い分は理解のし辛いものだった。 「とりあえず、僕はどうすれば?」 銃の様にも見えるモノを構えられながらも、有りもしない希望を託して訊いてみる。しかし、やはり彼女は希望を打ち砕いた。 「私は貴方を殺す為、未来から来ました。貴方を殺さなければ、私は帰れません。未来の為にとは言いません。今、目の前にいる私の為に。死んでください。」 彼女の自分勝手な言葉。しかし、こんな事を言っても、武器を使っては来ない。 「死ぬ前に最期の願いを聞いてくれますか?」 苦し紛れに言ってみた。 「何ですか?」 聞いてくれるみたいだ。一か八か、賭けるしか無いか。 「僕が死ぬ気になるまで、こっちの世界で一緒に生きてみませんか?」 彼女の手から、武器が落ちた。
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