第1章

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竜二『おはよう』 広一『おはよう竜二。なんか冴えない顔してるけど』 竜二『ああ、気にすんな。いつもの親子喧嘩だから』 広一『いつものね。親子喧嘩ってよく聞くけどあれ絶対笑い事に出来ないと思うんだよね』 竜二『まあな。血が繋がっているってだけで心も通じ合ってるみたいに思われるけど、半端に相手を理解してるだけに厄介なんだよな』 広一『僕の親もね、今思えば本当にいじめてたのかちょっと疑問に思うところがあるんだよね』 竜二『え、どうなん?』 広一『まあ僕が本当にいじめられたと確信出来るのは一回だけなんだ。それ以外は多分ただのコミュニケーション。一般に近いね』 竜二『でもそれがお前にとっていじめに感じたのか?』 広一『だね。多分その一回のいじめで僕にとって両親は尊敬出来る親から怖い親に変わったのかもしれないね』 竜二『たった一回の事でそんなに変わっちまうのかよ』 広一『それだけ人間って内面を見てないんだよ。その人の意図しない嘘を嘘と思わないんだからね』
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