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広一『竜二!』
竜二『……話しかけんじゃねぇよ』
広一『竜二……何かあったの?』
竜二『何も、ねぇよ』
広一『嘘だよ。最近の竜二はなんだか怖いよ』
竜二『ならなんで俺に構うんだよ。ほっとけばいいだろ!』
広一『まあ、そりゃあ一応友達だし、今まで一緒にいた奴がいなくなったら寂しいし』
竜二『……俺はさ、お前といるとイライラするんだよ』
広一『……え』
竜二『別に最初からそうだった訳じゃない。お互いに親に愛されないという部分で意気投合してたし、どちらかと言うとお前といると居心地も良かった』
広一『なら、なんで』
竜二『でもさ、やっぱりお前も愛される側の人間なんだなって思うとさ、どうにかなっちまいそうで……』
広一『竜二……誤解してると思うけど僕は愛される側なんて思ってないよ。僕みたいな人間は好かれないって思ってるし皆だって好きじゃないよ』
竜二『でもお前のお兄さんは違うだろ?』
広一『そうだけど、でもそれは竜二の思ってるそれではないよ。僕と兄ちゃんはある意味共犯者だから』
竜二『共犯者か。何の共犯者か知らないけど、それでも大層な繋がりじゃないか』
広一『確かにそうかもしれない。でも、それはだんだんと重荷になっていくよ』
竜二『なら、断言してやるよ。お前はきっとこれから、お兄さんを半端に信じて誰も味方につけれなくなる。親や自分さえも』
広一『そうか、でも僕は竜二の味方のつもりだったんだけどね』
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