私のために

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初めて授業をサボった。 学校で一番高い階にある音楽室の窓から身を乗り出し、下を見降ろしたら、私はついに不安になった。 もっと高いところがいいかもしれない。 これじゃあ死ねないかもしれない。 「死んでください」 えっ、なんて裏返った声が出た。振り返ると、見覚えのない女の子が、教室の真ん中に立っていた。私の方を見て、悪口を言ったのだ。彼女はにこにこと笑っている。それでは彼女もきっと、私をいじめる仲間の内の一人なんだ。 今から死のうとする自分を馬鹿にしたのだと思って、私はすっかりやる気が失せてしまう。 「…死んでくださいなんて、私は言いません。死ぬつもりなら、失うくらいならその命、私のために使ってくれませんか」 女の子の瞳がきらりと光った。それは期待の眼差しだった。 そんな目を向けられたのは初めてで嬉しくて、私は彼女の手を迷いなく握りしめた。 私の命が、誰かに必要とされるのならーーー。
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