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「もも?」
ことの成り行きを心配そうにわたしを見る優樹。
「ちょっと、話してくるね!」
優樹に一言いうと、今度は、三浦君の隣の女の人に。
「ちょっとお借りします。」
謙虚さが伝わるようにぺこりと頭を下げた。
そして、三浦君の手を遠慮がちに引っ張って、お店の外に出た。
「何?」
突然のわたしの行動に驚きながらも冷静な三浦君。
わたしは、深呼吸をして、話し始めた。
「わたしは、三浦君の彼女になった覚えはありません。
三浦君に、何人彼女さんがいても、個人の自由だから全然いいと思います。
けど…。
わたしは、そんな華やかな皆さんと同じように三浦君とは釣り合うことはできないし。
地味なわたしが、わがままかもしれないけど…。
こんなわたしを本当に好きだと言ってくれるたった1人の人とお付き合いしたいって思います。
だから…。
三浦君の彼女になることはできません。」
勢いに任せて言い切ったわたしは、ちらッと三浦君を見た。
三浦君は、黙ったまま、わたしをじっと見つめていて、わたしは、恥ずかしくなって俯いた。
「へぇ~」
突然聞こえた、低い声にわたしは危機感を覚えた。
やばい…。
怒らせたかな!?
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