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「もしもし。」
「出るの遅いよ？」
あぁ。
やっぱり、何か言われると思った。
「どうかしましたか？」
「そうそう。明日、暇？」
明日は、バイトもないし、大学も土曜日なのでないから、暇ではあるけど…。
「予定はないです。」
「じゃあ、明日、駅前に10時に来て。
デートでもするから。」
デートですか………。
デート………！？
「デートですか！？」
驚いて大声を出すわたしに、三浦君は、心底うるさそうに言った。
「うるさいなぁ。
まさか、デートしたことないの？」
そうなんです……。
男の人と出掛けることなんて何回もあるけど。
２人っきりで、しかもデートは生まれてから経験したことはない。
優樹とは、高校時代、帰りに一緒に帰ったことはあるけど、デートに行く前には別れたので。
「…そのまさかです。」
電話越しにバカにされた感がわかった。
「彼氏いたことないの？」
鼻で笑うように言う三浦君。
「ありますよ、二度ほど。」
「へぇー。
あるのに、デートしたことないの？」
ひとしきり、楽しそうに笑うと、
とりあえず、明日ね。
と言って電話を切った。
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