異世界で道具屋始めました。

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AM7:30 人々が行動をはじめ、外には活気が溢れ出す。 今日もまた1日が始まる。 扉の前に人の気配がするのとほぼ同時に、カラン、カランとドアにつけた鈴が鳴ったので、俺は反射的に声をかける。 「いらっしゃいませー。あ、ジョイさんじゃないですか。今日は何用で?」 入口の方へ目を向けると30代前半ぐらいの大柄の男の人が右手を胸の辺りの高さにあげて立っていた。 「おう、今日はショータが店番なんだな。また数日ダンジョンに潜るから、それの買出しだ」 そう言うと、ジョイさんは慣れた手つきで、どんどん商品をカゴの中へ入れていく。 ここは、アディール大国王都の大通りにある道具屋『幸福堂』。 俺、清水翔太(しみず しょうた)が半年前に始めた店だ。 『ほかの店よりいい品質を低価格で』を合言葉に、日本人ならではと言える生真面目な性格な事もあり、それなりに繁盛していると思う。 店も綺麗にするように心掛けているし、接客も丁寧に話しやすくを意識している。 「ショータもたまにはダンジョンに潜ったらどうだ?指名依頼もたまってるんじゃないか?」 「ははは。そうですね、店も軌道に乗り始めましたし商品の為の狩りだけじゃなくて、そろそろ依頼も受けた方がいいですよね」 前向きには考えときます。という言葉は飲み込み、ジョイさんが持ってきたカゴの中の物を笑顔で合算していく。 俺は店を開店させる前までは、ジョイさんと同じようにダンジョンに潜ったり、王都から出て魔物の討伐などをしていた。 「干し肉が7点、ハニーベアの干し肉が4点、干物が5点、干し芋が2点、硬パンが6点、蜂蜜入硬パンが2点、ポーション[緑]が5点、傷薬が10点、魔物避けの実が1点、合計で1万3000レミになりまーす。」 「おう、じゃこれ」 ジョイさんはそう言うと、おもむろに1枚の赤色のカードを出してくる。
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