第4章~立ちはだかる妖魔の無双の者~

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満延は意地になっていて、退くに退けぬ状態となっていた。 そんな満延に対して源右衛門は。 「チッ」 と、舌打ちした後。 「意地になって剛志様の戦略を台無しとするかッ!ならばお主だけで行えッ!剛志様の大事な後方の八極拳部隊の将兵たちを巻き添えにするなッ!」 と、満延を一喝すると、後方の満延が率いて来た八極拳部隊の将兵たち、それと自らが率いて来た将兵たちに。 「お主たちは一旦飯梨川の東岸へと引き返せッ!」 と、下知したのだが、源右衛門が率いた八極拳部隊の将兵たちは、すぐに源右衛門の下知に従い、再び飯梨川の東岸へ戻っていったのだか、満延が率いて来た八極拳部隊の将兵たちは、お互いの顔を見合せながら戸惑っていたため。 「お主たちも早く退かぬかッ!」 と、源右衛門は、満延が率いて来た八極拳部隊の将兵たちを一喝した。 流石に源右衛門に一喝されると、満延が率いて来た八極拳部隊の将兵たちも、源右衛門の迫力に圧されて、スゴスゴと飯梨川東岸へ撤退せざるをえなく、次々と飯梨川東岸へと撤退していった。 そして源右衛門は満延の方を見てから。 「これで心おき無く。あの化け物と闘えるのう。儂と満延殿が上手く組んであの化け物に挑めばどうにかなろう」 そう源右衛門は言った。 源右衛門の発言に満延は。 「ハッ」 として、源右衛門を見据えると。 「源右衛門殿…。お主何を…」 そう言いながら、満延は源右衛門言わんとする事の意味を理解しようと、頭脳をフル回転させる。 そんな満延に対して源右衛門が言う。 「何をしている。構えて彼奴の隙を見付け出せ。彼奴の隙を見出だせたならば一気に攻めかかるぞ」 この源右衛門の言葉に満延はニヤリとして。 「おおッ!儂と源右衛門殿が組めば彼奴を倒す事もできようッ!」 そう言って槍を構えた満延は、源右衛門と共に、移香斎の隙をうかがった。 そんな満延と源右衛門に対して移香斎は。 「フフッ。2人がかりなら儂を倒せると思うておるなら勘違いも甚だしいものよ。まぁよい本番前の準備運動でもいたすかのう」 そう言うと、移香斎は太刀を構えて「さぁどっからでもかかって来るがよい」と、言わんばかりの威圧感を体中から、移香斎は発していた。
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