第4章~立ちはだかる妖魔の無双の者~

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そんな移香斎から発せられる威圧感に満延と源右衛門は。 (なんという威圧感。これが彼奴の本領という事か。全く隙が見つからぬ) そう思いながら、満延と源右衛門は移香斎との間合いを取りつつ、付け入る隙をうかがうが、その隙が見つからないため、満延と源右衛門は顔を見合せ、アイコンタクトをする様に、隙がなければ作り出すまでと、頷き合った満延と源右衛門は、移香斎へ手にする槍を鋭く突き出したのである。 満延と源右衛門が同時に槍を突き出すが、それを移香斎は難なくかわした。 「なんのまだまだじゃッ!」 と、満延と源右衛門は言い放ち、更に連続で槍を振るうが、その満延と源右衛門の槍の攻撃を移香斎は難なくかわし、そんな移香斎に対して、満延と源右衛門は、時折変化をつける様に、移香斎の懐へ入り込み、八極拳の技の1つである拳や肘を使った肘撃を繰り出すが、それさえも移香斎は難なくかわしていた。 「くそッ!なんて奴だッ!儂と源右衛門が同時に攻撃しているのに難なくかわすとはッ!」 と、満延は悔しがり、源右衛門も。 「全く我らの攻撃を苦にしないとはッ!どうなっておるのかッ!」 と、焦り始めていた。 そんな満延と源右衛門に対して移香斎は。 「フフッ。どうした2人かがりでこの程度か」 と、余裕の笑みを浮かべ言い更に。 「もう終わりか?」 と、移香斎は問いかけ更に。 「もう終わりなら今度は儂から行くぞ」 と、移香斎は続けると、太刀を構えて、満延と源右衛門との間合いを計り始めた。 そして、移香斎の体がピクリと動いたかと思うと、満延と源右衛門の視界から、移香斎の姿が消えた。 「なっ!きっ消えたッ!」 と、満延が声を発すると、満延の右側面の方から呻く声が聞こえ、その呻き声の方へ満延が視線を移すと、そこには口から血を吐き片膝をつく源右衛門の姿があった。 「源右衛門殿ッ!」 と、満延は慌てて源右衛門のもとへ駆け寄った。 源右衛門の事を心配して駆け寄る満延に、源右衛門は鬼の形相で満延を睨み付け。 「儂の心配などよいッ!やはり彼奴は儂が相手になる奴ではなかったッ!満延殿ッ!貴殿だけでも戻り彼奴の事を剛志様たちに伝えよッ!」 そう源右衛門は言い放ち、駆け寄る満延を制止した。
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