第4章~立ちはだかる妖魔の無双の者~

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~安来へ上陸~ 中海に尼子水軍が姿を現したとの報せは、月山富田城を攻める島津軍の本陣のある星上山に報せが入る。 星上山の本陣には総大将の島津義弘、副将の島津家久、島津家重臣の伊集院忠棟、肥前守護の岡利勝、筑前守護の立花宗茂の姿があり、そして妖魔の無双の者、愛洲移香斎、塚原卜伝、上泉伊勢守の3名の姿もあった。 「中海の監視をさせている久高から早馬による報告が入った。今早暁の事だ。境水道から続々と中海に尼子水軍の大船団が侵入して来たそうだ。久高の使者が申すには尼子水軍の大船団には尼子剛志の龍の馬印を掲げる軍船が見えたそうだ」 と、義弘は言い、これに家久が口を開き。 「尼子のご当主が総大将となり月山富田城の援軍とは…」 と、家久は言ってから更に。 「尼子剛志が総大将となって援軍として来たからには相当数の軍勢の援軍となりますな。それと噂に聞く余呉湖合戦において明智軍を撤退させたという者たちの存在も気になります。噂では大坂城に入ったとの事で。その者たちは龍神の化身が降臨した時と同様な形で天空より降臨したとか。もしかすると新たな化身の降臨なのでは…」 と続け、家久は不安を覗かせた。 すると伊集院忠棟が口を開き。 「確かに新たな化身となると厄介ですな…」 そう忠棟が言うと、岡利勝と立花宗茂が頷き応じた。 そんな中、愛洲移香斎が口を開き。 「義弘様5000程度の将兵とそれを率いる大将を中海方面に向かわせて見ては如何か?拙者もその軍勢に同行いたし尼子方の戦力が如何なる程度なのか見極める必要はあるでしょうからな」 そう移香斎が言うと、これに義弘は頷き。 「ならば家久。お主が5000の軍勢を率いて中海にいってくれ。お主の見立てであれば間違いあるまい」 そう義弘が家久に命じると、家久は頷き。 「承知いたしました。すぐに支度いたして向かいまする」 と、家久は応じて、移香斎を連れて本陣より出ていった。
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