第4章~立ちはだかる妖魔の無双の者~

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尼子軍の先陣八極拳部隊が、総攻撃を開始する中、真哉は自らの力、鳳凰神の化身としての力に驚き、鳳凰の槍を見詰めて。 (こんな事もできるのか…。確かに移香斎の放つ気の様なものは感じ取ったが。俺は鳳凰の槍を突き出しただけだ。それだけだったが移香斎の太刀を真っ二つに折り。移香斎を弾き飛ばした…) と、半信半疑の様子の真哉の頭の中に、鳳凰神・宇喜多直家の声が響き渡る。 『それが真の鳳凰神の化身としての力だ。敵の気を感じ取り。その気を貫く様に鳳凰の槍を突き出せば。鳳凰神の化身の力が鳳凰の槍へと伝わり。敵の気を貫き打ち砕く。妖魔の力が如何程。移香斎に及ぼしているかにもよるが。移香斎が再び立ち上がる事はないと見てよい』 そう鳳凰神・宇喜多直家は、真哉へと伝えた。 鳳凰神・宇喜多直家から、鳳凰神の化身と鳳凰の槍の真の力を聞いた真哉は、再び鳳凰の槍を見詰めて。 「あれが鳳凰神の化身と鳳凰の槍の真の力か…」 と、真哉は呟いていると、満延が、そんな真哉に気付き、真哉に近付き頭を小突くと。 「何をボーとしている。おいて行くぞ」 と、満延から言われた真哉は、我に返り。 「あっ!行くよ」 と、真哉は言い、満延の後を追った。 一方、後続する尼子軍では、信繁からの伝令を受け、第2陣の竹中善左衛門・長曽我部信親率いる八極拳部隊では、善左衛門と信親が協議の上、このまま前進するよりも、島津軍の島津家久本隊を突く事を決定して部隊を右翼へと転回させて、家久本隊の左翼側へと回り込んで家久本隊を急襲する事を決めて移動を開始し、第3陣の花房正幸本隊も、家久本隊を急襲する事を決めて、第2陣竹中・長曽我部両八極拳部隊とは逆に、左翼へと転回、家久本隊の右翼へと回り込むため、移動を開始した。 そんな中、花房正幸本隊に従軍する野村麻紀が。 「真哉の奴。私の出番を無くしてくれたね」 と、憮然としていた。 麻紀は自分の鳳凰神の化身の力を、発揮したい気持ちで一杯であったため、真哉が移香斎を倒したとの伝令に憮然としたのである。 憮然とする麻紀に正幸が、麻紀の側に歩み寄り。 「麻紀殿。戦は始まったばかり戦これから麻紀殿が必要となる時がきっとくる」 そう正幸は言い、正幸の言葉に麻紀は、表情を和らげ頷いていた。
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