第4章~立ちはだかる妖魔の無双の者~

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移香斎はようやく目が覚めたが自分が、何処にいるのかわからず、キョロキョロと辺りを見渡した。 (ここは何処だ…?) そう思いながら、移香斎は立ち上がった。 そんな移香斎は、聞き覚えのある声に「ハッ」として振り返り、そこに見覚えのある人物が立っていて。 「妖魔鬼神様ッ」 そう移香斎は言った。 そんな移香斎に妖魔鬼神・塩冶興久は言う。 『やられたのう。儂もあれほど強く。あれほどの力を持っていたとは予想外であった』 「ええ。拙者も想定外でした」 『しかも鳳凰の槍を使う奴以外に奇妙な術を使う奴に鳳凰の弓を使う奴と鳳凰神の化身は3人いるそうだからな。ちと考えねばならぬな』 「あの槍を使う若い男以外に後2人いる…。厄介ですな」 と、移香斎は言ってから。 「それよりここは何処なのでしょうか?」 そう移香斎は問いかけると、これに妖魔鬼神・塩冶興久が。 『ここは妖魔の空間じゃよ。いわばお主の様に妖魔の力が弱まった者の妖魔の力を回復させる空間とでもいう場所とでもいう場所じゃよ』 と、返答し、この返答を聞いた移香斎は、辺りを見渡した後、自ら体にみなぎる力を感じてから。 「確かに体の奥底から力がみなぎって来るのを感じる」 そう移香斎は生気と妖魔の力を甦らせていた。 そんな移香斎に、妖魔鬼神・塩冶興久は、3刀の太刀を手渡し、3刀の太刀を手渡された移香斎は、その3刀の太刀を見詰めた後。 「この太刀は…?」 と、移香斎は問いかけた。 すると、妖魔鬼神・塩冶興久はニヤリと、笑みを浮かべて。 『龍神も鳳凰神も儂を…妖魔鬼神の真の力を知らぬ。故に思い知らせてやらねばならぬ』 と、妖魔鬼神・塩冶興久は言ってから更に。 『その太刀は妖魔鬼神の太刀。妖魔の力を注ぎ込まれた太刀だ。その太刀はお主たちに妖魔の力を増幅させ。以前よりも強靭としてくれよう。その太刀なれば鳳凰の槍や鳳凰の弓にも対抗できよう』 そう妖魔鬼神・塩冶興久は言った。 妖魔鬼神・塩冶興久が、移香斎へと手渡した3刀の太刀、その説明を聞いた移香斎は再び、3刀の太刀を見詰めると。 「この太刀が妖魔鬼神の太刀…」 そう呟き更に。 「3刀あるという事は1刀は儂ので卜伝殿と伊勢守殿の分という事か?」 と、移香斎が尋ねると、妖魔鬼神・塩冶興久は頷いていた。
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