第4章~立ちはだかる妖魔の無双の者~

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妖魔鬼神・塩冶興久が頷くと移香斎は。 「なるほど…3刀の妖魔鬼神の太刀と無双の儂と卜伝殿。そして伊勢守殿。これらが揃えば鳳凰神と鳳凰神の化身3人を倒せる訳で。つまりは妖魔鬼神様の願いである尼子家と尼子家に通ずる者共の抹殺も叶う訳だな」 そう言い、これに妖魔鬼神・塩冶興久は、再び頷き応じていた。 そして移香斎はニヤリとしてから。 「先程の戦では鳳凰神の化身の若造に遅れを取ったが次戦は必ずや雪辱してくれるわ」 そう言い、そして妖魔鬼神・塩冶興久に、もとの世界に戻してくれる様に、移香斎は言うと、再び地上へと戻っていった。 一方、安来へと上陸した尼子剛志率いる軍勢は、半刻の休息を取った後、月山富田城の援軍のため、進軍を開始し、そして月山富田城に到着して、月山富田城主将である宇喜多忠家をはじめ、前田利家ら将兵たちに歓喜の声で出迎えられ、忠家以下の将兵たちが、地べたに平伏し。 「剛志様の自らの御出馬。皆を代表してあつく御礼を申し上げます」 そう忠家が皆を代表して言ってた。 そんな忠家らに剛志が言う。 「いや礼をいわねばならぬのは俺の方だ。打つ手立てがなく手詰まりであったとはいえ皆には苦労をかけた」 そう剛志が言うと、忠家が将兵たちを代表して。 「もったいない剛志様の御言葉。皆も嬉しく思っています」 そう言い、そんな忠家に対して剛志が問う。 「うむ。それより利成と輝政の怪我の具合は如何か?」 この剛志の問いかけに忠家が。 「利成殿の方はまだよろしいのですが…」 と、口を濁す様に言うと、これに剛志は表情を曇らせ。 「重傷なのか?」 と更に問いかけると、忠家が頷き応じたため。 「ならば急ぎ案内いたせッ」 と、剛志は忠家を急かして、そして剛志たちは、利成と輝政が養生する部屋へと向かった。 利成と輝政が養生する部屋へ、忠家と利家に案内され、剛志の他、最上義光、酒井忠次、花房正幸、伊藤治右衛門らや真哉と麻紀らが入室し、入室すると剛志は、利成と輝政の枕元の間に腰を下ろした。
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