第4章~立ちはだかる妖魔の無双の者~

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自らの体をさすったり、叩いてみたり、つねってみたりする輝政に、剛志が問いかける。 「輝政…お前。怪我したところの痛みはないのか?」 「はい…全く。先程までの激痛が嘘の様です」 と、剛志の問いかけに輝政は答えていて、そんな輝政を見た剛志は、床に転がる龍神の水晶を手にして、暫く見詰めた後、今度は利成の骨折した腕へと龍神の水晶を当てた。 すると再び水晶は眩い光を放ち、そして眩い光を暫く放った後、眩い光は消え失せ、そして剛志は利成へ問いかける。 「どうだ骨折した腕に痛みはあるか?」 この剛志の問いかけに、利成は骨折した腕を叩いてみたり、つねってみたり、グルグルと回してみたりした後。 「全く痛みがありません…先程まであった痛みを感じませぬ」 そう利成は答えた。 そんな中で鳳凰神・宇喜多直家が言う。 『その龍神の水晶は龍神が自らを水晶へと変えて龍神の力を凝縮させたもの。故に怪我の治癒など容易い。だが怪我の治癒ができるのは1日で最大10人まで最大人数の治癒を行えば3日間は怪我の治癒はできぬ。他に敵方の陣の様子も見れる。試して見よ』 そう鳳凰神・宇喜多直家に言われ、剛志は龍神の水晶を目の高さまで上げて、龍神の水晶を見詰めた。 すると、龍神の水晶に島津軍の陣容が映し出され、そして、その映像は島津軍の本陣辺りへと移動、陣幕内への出入りが映し出されていた。 その映像に驚き、皆が剛志を取り囲む様にして、龍神の水晶に映しだされる映像を見て。 「これは凄いッ」 「敵方の陣容が手に取る様にわかるッ」 「これが有れば戦略的に優位に立てるッ」 などと顔を見合わせ言いあった。 そんな中で鳳凰神・宇喜多直家が言う。 『敵方の陣容などを見れるのも永久的に見れる訳ではない。1度見たならば2日空ける必要がある。つまり怪我の治癒。敵方の陣容などを見る。これらは全て龍神が自らの残りの力を体ごと龍神の水晶へと変える事で龍神の力を凝縮させる事ができ成す事ができている。故に休ませる事も必要。あまり乱発はいたすなよ』 そう鳳凰神・宇喜多直家が言っていると、龍神の水晶に映し出されている映像に、真哉が見覚えのある人物を見付け。 「あッ!彼奴が生きているッ!」 と、真哉が声を上げた。
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