1人が本棚に入れています
本棚に追加
なんで白という色は、こう落ち着かないんだろう。
白を基調としたホテルの内装に、追い討ちをかけるかのように、僕自身も、白いタキシードで身を包んでいる。
慣れない服装で緊張が重なり、僕の手に、汗が溜まっていく。
そんな手で、繊細な細工で施された高級感が溢れる扉をノックをした。
「はい、どうぞ。」
聞き慣れた、女性の声。
その声に、僕の緊張が、少しほぐれる。
扉を開けると、これから僕の妻になろうとしている女性が、Aラインのシンプルなウェディングドレスを着て、窓際に座っていた。
ベールで顔が隠れているため、彼女の表情がうまく見えない。
果たして今の彼女は、どの人格の彼女だろうか。
最初のコメントを投稿しよう!