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キミは会社の同期で、内定者の頃から気が合っていた。
大学は違うけど同じ学部で、二人とも高校時代は陸上部、好きな音楽も近くて、他に受けていた会社も似ていた。
入社研修のグループも同じで、私が班長、キミが副班長だった。
部署は違っても同じビルに配属されたから毎日のように顔を見たし、週に何度かは社食でランチを一緒に食べて、月に何度かは飲みにも行った。
付き合おうと言われたのは、キミが支社へ異動すると決まった時だった。
入社から二年も経っていた。
だから、なんでと真正直にも聞き返してしまった。
私の代の同期は仲が良くて、ランチも飲みも二人きりの方が少なかったし、それに今更だ。
同期の中にはカップルもいたけれど、みんなもっと早くから付き合っている。
不思議そうな私をキミは笑って、「俺たちきっと気が合うよ」と言った。
甘い言葉なんてなかったけれど、確かにそうかと思って、私たちは付き合うことになった。
女の子も含めた同期の中でも、一番顔を合わせていたのはキミだったから。
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