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「どんだけお前が重くっても倒れねえから、安心して寄っかかればいいさ」

かさついたキミの指が、私の頬を撫でる。

反射的にびくりとすると、苦笑してグイッと頬を引っ張られた。

「お前一人だけだからな。お前一人受け止めるくらいの甲斐性はある」

それがキミの答えだった。

キミは知っていたのだろうか。

私がキミの心変わりを疑って、一人じめじめと泣いていたことを。

地元にもう一人彼氏作るくらいの気持ちでいかないと、あんたこのままじゃ自滅するよって友達に呆れられても他の人なんて見向きもできなくて、ただただキミからの連絡を待ってしまっていることを。

本格的に泣き出してしまった私を胸に抱え込んで、背中をポンポンと宥めてくれる。

本当に、こんなこと彼氏にされたことなかった。

目の前で声を上げて泣くことも、子供みたいにあやされることも。

触れられているだけで体中が温かくなって安心することも、いつだって会いたくて仕方ないことも、不安すぎて別れてしまいたくなることも、瞳を見ただけで私のことを好きだってわかることも、全部今まで一度もなかったことだから。