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「なに情けないことばっか言ってんのさ。 うちはかませ犬じゃないんだからね。 起こすよ、下剋上」 こんな時、チームの士気を高めるのもチーフアシスタントに任命された私の役目だ。 「まずは松山さんから指示された資料を全部揃えないと。 昨日のうちにとりあえず言われそうな資料は私が揃えておいたんだけど全然足りないから残りは下島に任せていい?」 「へーい」 下島はクセなのかまた敬礼ポーズをきめてみせた。 私はそれを一瞥だけして小森に向き直る。 「小森は打ち合わせの時言われたように、まずは業者のスケジュール確認ね。 これは数が多いから私も手伝う。 それと、今回はスタッフさんへの仕事の割り振りと指示は全部小森に任せるから」 「うおっ?!」 私の言葉が意外だったのか小森は妙な驚きの声をあげて目を丸くする。 その様子に思わず吹き出してしまった。 「そんなに驚くことないじゃんか。 小森だってもうそーゆーお手伝いしてくれてもいいお年頃でしょ。 今回はさ、私も含めてみんなが慣れてないことばかりの上に業務量もハンパじゃないからね。 だから、2人にも今まで以上の仕事してもらわないとなんだ。もちろん、私も」 私がそう言うと2人の顔が引き締まった。
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