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ただ一つ、確かなことは。
静まり返った放課後の教室。
そこに僕を呼び出したのは、クラスメイトの少女であった。
A「ずっと聞きたかったことがあるの」
彼女の言葉は心地よく、僕の心に染み渡る。
A「もしも今日で世界が終わると知ったら。あなたは私の傍にいてくれる?」
彼女の目はまっすぐで。
突飛な話であるのに、僕は彼女の質問をすんなりと受け入れてしまう。
僕はわかっている。
彼女の気持ちを。
そして自分自身の気持ちも。
だからこそ。
B「明日はきっと来る。確証はないけれど。でも、もし明日が来ないのだとしたら、」
未来なんて不確かだ。当たり前の様に明日は来ると信じていても、それが本当かなんて誰もわからない。
だから。
B「僕は、君と一緒に世界の終わりを見届けたい。」
A「どうして」
B「好きだからさ」
彼女の表情を見て、安堵する。
ただ一つ、確かなことは。
僕たちの気持ちに偽りはない、ということだ。
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