珈琲とミルク

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トン と 目の前に置かれる 珈琲と温かいミルク いつもの席に座ると 注文せずとも出てくるそれは 私の1番のお気に入り 昼の貴方は 小さいカフェのイケメンマスター 真っ白なシャツを身に纏い スマートに振る舞うその姿は 私の心を鷲掴む ゆっくり珈琲にミルクを注ぐと ぐにゃりと混ざり合う 黒と白 耳元で囁かれる 今日もおいで、の一言に ぞわりと震える ココロとカラダ あぁ 貴方の珈琲は美味しい いつ飲んでも 温かく満たされる 心と身体 もう一杯頼んでも 呆れはしないだろうか 夜の貴方は 獲物に牙をむく野獣 真っ白なシーツに私を張りつけ 妖艶な表情で喰らうその姿は 私の心を鷲掴む 私の白い肌に 貴方によって刻まれる 紅い花弁 貴方の手管で翻弄させられ 私の欲は暴かれて ぐちゃぐちゃに混ぜられる 白と白 あぁ 貴方の白を全て受けとめたい 何度注がれても 吐き出すだけで満たされない ココロとカラダ もっとと望むのは イケナイことなのだろうか 朝になると 貴方は私の1番のお気に入りを淹れてくれる 私の心と身体を満たす 珈琲とミルク 美味しいと呟けば 君はもっと美味しいと イロのある声がカラダを震わせる 私と貴方へ捧げる想いが 貴方の1番のお気に入り
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