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――これで平等だよね?
そう微笑む男の、何と美しい事か。
しかし。そう。だがしかし。そういう問題ではない。
衆人環視のただ中で。あろうことか告白を披露して。
譲歩してそれを受け入れたというのに、目の前の男は、あろうことか――キス、をして。
最後に。とんでもなく恥ずかしい言葉を止めといわんばかりに添えたのだ。
「――この」
「え?」
「サイコパスヤンデレストーカ色情狂! おまえはちっともわかってねえじゃねーかあっ!!」
――目立たない努力をしろっ!
そう叫んだ私は、和泉くんの鳩尾に蹴りを入れ、駅までの道を走りに走った。
誰かが「蹴られて笑ってる学園アイドルとか残念すぎる」と言っていた。
誰かが「助け起こされてもにまにましてて学園アイドル怖すぎる」と言っていた。
――最後にこれまた誰かが「でも和泉くんらしいね」と言っていた。
どうやら、そうらしい。
彼を「学園アイドル」ではなく「和泉遥」と認識する者は、それを「らしい」と言ってのけた。
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